目次
ヨガの行法
アーサナ
アーサナとは、一般的にヨガでよく知られているもの――様々な柔軟のポーズを取ることによる修行方法だ。
これをすることで、エネルギーの詰まりを取って流れを良くして、体のバランスを整えるという効果があるとされる。
以下がその具体的なポーズとなる。
ガス抜きのポーズ
- 手を自然と降ろし、足をまっすぐ伸ばした姿勢で仰向けに寝転がる。
- その状態で全身の力を抜く。
- 力を抜いたまま、右足の膝を曲げて、その膝を両手で押さえる。
- 息をいっぱい吸い込んだあと、ゆっくり吐きながら持っている膝を顎に引き寄せる。
- 顎を膝に付けるまで引き寄せたら、そのままの姿勢を自然呼吸とともに20〜30秒維持。
- 息を吸いながら、ゆっくりと元の姿勢である寝転がった状態に戻る。
- 今度は左足で同じことをする。
頭を膝につけるポーズ
- 両足を前に伸ばした状態で座る。
- 左足だけあぐらを組むように曲げて、足の裏が腿の間に来るようにする。
- 伸ばした右足の親指のところを両手を伸ばして掴む。1)
- お腹を引き締めながら、お腹を空っぽにするように、息を深くまで吐ききる。
- お腹を緩めてゆっくり深くまで息を吸いながら、背中を反らせてゆく。上を向いた姿勢で5秒間息を止める。
- ゆっくり息を吐きながら、体をなるべく深く前に倒していく。一番深く曲げきると右膝に額がつくが、これも曲げられる範囲で良い。
- さらに息を吐きながら、上半身がしっかり右足につくまで曲げる。2)
- 吐ききったあとは、10秒間姿勢をそのままにする。
- ゆっくりと息を吸いながら、逆再生するかのように元の姿勢に戻る。
- 今度は反対の足で同じことをする。
※伸ばした側の足は、常にピンと伸びているように気をつける。
バッタのポーズ
- 両足を揃えて伸ばして、うつ伏せに寝転がる。両手は上方へ伸ばしておく。
- ゆっくり息を吸いながら、両手と両足(揃えたまま)を上げていく。
- お腹だけをつけて全身を反らせた状態になったら、20秒ほど自然呼吸しながら姿勢を保つ。
- ゆっくり息を吐きながら、逆再生するように元の姿勢に戻る。
- 全身から力を抜いて休む。3)
コブラのポーズ
- 両足を伸ばしてうつ伏せに寝転がる。
- 肘を立てて脇を締めた状態で、両手を床(胸のすぐ横のところ)につく。
- ゆっくり息を吸いながら、額→鼻→顎と頭を持ち上げていき、胸部まで反らす。
- さらに両手を伸ばすことで上半身を持ち上げ、お腹のあたりまで大きく反らす。
- 体を反らしきったら肛門を引き締め、そのままの姿勢で5秒息を止める。
- 引き締めを解いてから、ゆっくり息を吐きながら、逆再生のように元の姿勢に戻る。
- 最後に力を抜いて軽く休む。
ワニのポーズ
- 仰向けに寝転がる。このとき、両足は揃えて伸ばし、両手は左右にまっすぐ広げて伸ばしておく。
- ゆっくり息を吸いながら、伸ばしたままの左足を上げていって、体と90度になるようにまっすぐ立てる。
- ゆっくり息を吐きながら、顔を左へ、左足を右へゆっくり倒す。
- その姿勢のまま息を止めて3秒間待つ。4)
- ゆっくり息を吸いながら、顔を真上に、左足を立てた状態になるように、ゆっくりと戻す。
- さらにゆっくりと息を吐きながら伸ばしたままの足を降ろしていき、元の姿勢に戻る。
- 今度は反対側の足でも同じことをする。
三角にねじるポーズ
- 背筋を伸ばして正面を向いた状態で、両足を肩幅ほどに開いて立つ。このとき両腕はだらんと下げておく。
- ゆっくりと息を吸いながら、伸ばした両腕を肩と同じ高さのところまで左右に持ち上げる。手のひらは下向きになるようにする。
- ゆっくり息を吐きながら、上体を左側へねじりながら倒していき、右手を左足の外側につける。5)反対の手は真上に伸びた状態となるので、その手の指先を見るようにする。
- 息を吐き切った状態から息を止めて、10秒間姿勢を維持する。
- ゆっくりを息を吸いながら、逆再生するように2の姿勢まで戻る。
- ゆっくりと息を吐きながら、さらに1の姿勢に戻る。
- 少し休んだあと、今度は反対側でも同じことをする。
鋤のポーズ
あらかじめ首をぐるぐると左右に回して準備体操をしておく。
- 両足は揃えて、両手は体の両側に伸ばして仰向けに寝転がる。このとき、両手の平は下向きにする。
- 揃えた両足をピンと伸ばしたままで、ゆっくりと息を吸いながら持ち上げていき、床と垂直になるように両足を立てる。
- 息をゆっくりと吐きながら、さらに両足を頭の方へ持ち上げていって、つま先を頭上の床につける。このとき、背中が床から離れるので、両手で支えるようにする。
- 両手で背中を支えたまま、自然呼吸で30秒〜60秒ほど姿勢を維持する。
- 両腕を元通り体の両側に伸ばして、手のひらを元通り床につけたら、ゆっくり息を吸いながら、両足が床と垂直になるまで戻してゆく。
- さらに、ゆっくりと息を吐きながら、1の姿勢に戻る。
- そのまま全身の力を抜いて、2分ほど休憩する。
プラーナーヤーマ
プラーナーヤーマとは、一般的なヨガでの知名度はやや劣るかもしれないけれども、呼吸法・呼吸のコントロールによる修行方法だ。
これをすることで、エネルギーを強めたり、適切な場所に流すということができるとされる。
以下がその具体的な呼吸法となる。
アヌローマヴィローマ
- 蓮華座やあぐらを組んで座る。
- お腹を引き締めながら、お腹の底からすべての息を両鼻から出し切る。
- 眉間に人差し指を当て、右の鼻の穴だけを塞ぐ。
- 左の鼻の穴から素早く息を吐き切ったあと、4秒で同じ鼻腔から息を吸う。
- 両鼻を塞いで16秒息を止める。
- 今度は左の鼻の穴だけを塞ぎ、右の鼻の穴から8秒かけて息をゆっくり吐く。
- 息を出し切ったら、そのまま同じ鼻の穴から再び4秒かけて息を吸う。
- 両鼻を塞いで16秒息を止め、反対の鼻でも同じ事を繰り返す。
これを右の鼻と左の鼻とで交互に繰り返す。また、これを行う間は眉間に指を当てておく。
4秒・16秒・8秒が苦しい場合は、2秒・8秒・4秒などで行っても良い。1:4:2のテンポで呼吸する。
クンバカ
- 背筋をしっかりと伸ばして蓮華座で座る。
- 手のひらを膝に置いて、眉間に視線を向ける。6)
- 鼻呼吸で素早く25回の呼吸をする。
- 腹式呼吸で、お腹の底から息を出し切ったあと、喉→肛門→腹部の順に引き締める。
- そのまま息を止めた状態を維持する。
- 苦しくなったら、鼻から息を思い切り吸って、もう一度息を止める。
- 再び苦しくなったら、鼻からフッフッと断続的なリズムで息を勢い良く吐き出す。
- 腹部→肛門→喉の順に引き締めを緩めて終える。
これを繰り返し行うと良い。
激しい行法なので繰り返す回数は30回以下に留めておくこと。
ヨガというのは、これらの2軸を併用して取り組むことになる。
注意
人によっては、これらの行法をまんべんなく過度に行うことによって、いわゆるクンダリーニの覚醒が起こることもあります。
その際、これらの行法だけの場合は暴発的に起こる場合が多いです。
取り組む際は、体調に気をつけて無理や過度がないように行ってください。