生まれるとは、自己意識が「私は生まれた」と認識する現象のこと。
そのとき、その瞬間に、主観世界の感受が始まったかのように感じられるが、実際には、死んだと認識した際に起こる意識の断絶からの復旧的な状態だ。
そこから新しい主観世界の認識が始まるが、それは魂視点では、実際には、断絶と復旧を挟んだだけの、魂の経験の延長である。
死ぬとは、自己意識が「私は死んだ」と認識する現象のこと。
「肉体の終わり=死である」と自己意識が理解しているから、肉体の終わりという現象が、死と体験できる主観世界として現れる。
死を体験するとき、自己意識はどうなるかというと、主観世界が持つ死という状態に対する理解に沿った臨死体験をしたのちに意識の断絶が起こる。これが魂にとっての死である。
死を自己の概念として持つ自己意識にとって、死というのは終わることだから、意識の断絶として経験するのだ。終わったことだから、もちろん記憶も断絶される。
このようにして過去世の記憶を覚えられない状態になる。
でも実際には終わるわけではなく、自己意識はあるから、自己意識が抱え込んでいる情報、すなわち魂の記憶も存在する。
そのため、そのあとは魂の記憶にしたがって、新たな主観世界が構築されて生まれるという体験が始まることになる。