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1:嫌悪を避ける

苦の因子を避けることで不幸を遠ざける第1の思考は「嫌悪を避ける」こと。

嫌悪というのは、具体的にどんな心の働きかというと、特定の対象のことを「こいつは嫌いだ」とハッキリと嫌いという対象にカテゴライズしたり、悪意的に解釈したり見るということだ。

これは他の項目と同様に、対人のみならず、動物や虫に対しても等しく言える。

例えば、蜘蛛やゴキブリが嫌いだという人は多いかと思う。
見た目や動きが気持ち悪いとか、そのような理由からだろう。

でも本来ならば、見た目や動きから嫌悪感を覚えるというのは、実際には不条理であることが、よく考えればわかるかと思う。
例えば自分自身が、普通に生きて暮らしているだけで嫌悪されて排斥されたら、深く傷つくだろう。

このように、嫌悪という思考は、それ自体が他者を傷つける因子を持ちうるものである。

それも、ともすれば、必要以上に過剰な攻撃や他害に結びついてしまう心の働きだ。
また、これは特定のものに対する差別や戦争に結びつく破壊的な感情でもある。

だから、このような心の働きというのは、なるべく避けたほうが良いもののひとつというわけだ。

では、どうすればこのような感情を抱かなくなるのだろう? というと、以下の方法を私はオススメする。


「嫌い」と「イヤだ」を切り分ける

嫌いというのは、対象に対する嫌悪だ。
イヤだというのは、行為に対する不快感だ。

嫌悪を持つ人というのは、この両者を混ぜてはいないだろうか?

実際には、この両者というのは切り分けることが可能である。

「今これをされて嫌な気持ちだった」「今こんなことがあって不快になった」このような一時的な不快の感情と、永続する嫌いという嫌悪感は別物である。

今は不快だったけれども、それは、この行為や出来事に対して、一時的に不快だっただけで、この人(あるいは物)自体には関係ないことだ。

このような切り分けが上手くできるようになると、嫌悪という感情から離れることができる。

因子が減るとどうなる?

このような負の因子が減るとどうなるかというと、以下のような体験が現れやすくなる。

  1. 雰囲気からトゲトゲしさが無くなり、まろやかになる
  2. 嫌いなものが減ることで、気持ちの波が穏やかになる
  3. これによって他者に警戒心を抱かれにくくなる
  4. 第一印象から不快な印象を受けられにくくなる

因子が増すとどうなる?

このような負の因子が増してしまうと、どんな影響を受けやすくなるかというと、以下のような体験をしやすくなる。

  1. 雰囲気にトゲトゲしさが増す
  2. 嫌いなものが増すことで、不快な機会が増える
  3. これによって他者に警戒心を抱かれやすくなる
  4. 第一印象で不快感を抱かれやすくなる